先週はさすがに頭にきた。
若手社員が、締め切りを守らずに定時で帰ろうとしていた。
「ちょっと待て」と声をかけたら、まず出てきたのが人のせいにする言い訳。
さらに、「そもそもなんで自分がこの仕事をやらなきゃいけないんですか」と開き直る始末。
いや、それを言うなら業務を頼まれたときに言えばいい。
納期を過ぎてから言い出すのは筋が通っていない。
私は彼を会議室に連れて行き、冷静にこう伝えた。
「自責で考えない人間に、成長はない」
「締め切りを守れない人に、仕事は任せられない」
「このままでは、君の評価は上がらない」
言い分があるか?と聞いたら「もういいっす」。
しかも私を睨んでくる。
もう、呆れて何も言えない。

私はめったなことでは怒らない。
自分で言うのもなんだが、温厚な人間だと思っている。
そんな私が怒っているのだ。普通なら「あの〇〇さんを怒らせてしまった 自分にも非があったかもしれない」と一度は振り返るものではないか?
反省なしに、人は成長できるのだろうか?
社会で生きていくには、「自分の非を見つける」「相手の立場に立つ」ことが欠かせない。
しかし、非が彼にあると言っていても始まらないのだろう。
最近は学校でも、生徒を厳しく叱ることが難しくなっている。
学校が「反省」を教えられないとしたら、親がそれを教えるしかない。
昔テレビで、両腕のない子どもに「ひとりで生きていけるように」と足で何でもできるようにと厳しく訓練していた親を見たことがある。
親の愛とはそういうことだと思う。
おそらく親に叱られることなく育てられた彼もまた“被害者”なのかもしれない。
私がこれまでに見てきた「成長する社員」には共通点がある。
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前向きさがある
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仕事の中におもしろさを見つけようとする
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責任感がある
このうちひとつでもあれば、周りが手を差し伸べて引き上げることができる。
でも、ひとつもなければ、もう無理だ。
それが現実だし、そういう相手にこれ以上の労力は使いたくない。
とはいえ、もしこのような人間でも「育てなければならない」とするなら、今の会社の仕組みでは限界があると私は思う。
社会に出てきてはいけないレベルの人間が、実際に現場に現れてしまっているなら、
それはやはり「社会に出る前の教育」の問題だ。
そして、私たち現場の人間は、その教育ノウハウを持っていない。
だったら、二つに一つしかない。
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教育のプロに任せるのか
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現場社員にその教育スキルを与えるのか
育てろと言うならば、それ相応の仕組みを整えてから言ってほしい。
でなければ、現場の負担ばかりが増え、育たない若手に悩み続ける悪循環は、いつまでも終わらないだろう。